働き甲斐と生き甲斐について(3)

  1. 働き甲斐を実感できる職場に恵まれる幸せ

冒頭で述べたの「なんとか仕事にありつきたいというケース」で働いている人々が世の中の大半でしょう。とすれば、そうした普通の人々の幸せは、どうやって実現できるのでしょうか?

私は、企業経営者こそが、そうした幸せをこの地上にもたらすことができると思うのです。

働いている社員が、働く中での自己実現の喜びについて、自分の言葉で活き活きと語り合える、実感できる職場が与えられならば、その幸せには大きなものがあると思うのです。

「みんなが知らない、小さな会社で俺は働いているけれど、俺の働いている会社には、素晴らしい社長がいるんだよ。俺は、小中高、成績もスポーツもぱっとしなくて、一度も褒められたことはなかった。そんな俺がいつの間にか仕事を出来るように育ててくれて、自分でも気づかなかったものを引き出して、誉めてくれる。だから、この社長のためなら、頑張りたいと思えるんだ。なんてことのない仕事だけれど、お客様が困っていたことを解決することに役立った時にとても感謝してもらえたんだ。自分もいい仕事しているんだなぁと嬉しくなったよ。」と胸を張って、にこにこと自己紹介するような社員が、たくさん育つならば、それはその経営者の喜びとなり、その経営者の幸せにつながると思うのです。

自社の社員がその社員の日常の生活感覚で自分の役割に自信と誇りをもって就業できる職場をつくる。働く中での自己実現の喜びについて、社長と幹部社員と一般社員が具体的に実感し合う、共有し合える職場を豊かに創り出せるならば、その経営者は、偉い宗教家・教育者・政治家よりも、はるかに素晴らしい尊い人生を生きていると私は思うのです。

(つづく)